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オレの名は龍之介と言う。 八十八学園一の問題児、血の滴る音の中を生き、骨の折れる音を好み、血の叫びの中で微笑む、などと噂されているが全く違う。オレは金髪の悪魔ではないのだ。無限に女を吸い込む人間ブラックホール、貞操観念のかけらもない絶倫魔人、とも噂されているがこちらは否定するだけ無駄だろうと思う。 最近バイオリズムでも低下しているのか、はたまた悪霊でも憑いているのか、何をやっても上手くいかない。悪い方向へ出ている。 女性運が。 オレの周りには可愛い女の子が沢山いた。巧く渡り歩いて複数の女性と同時に仲良くなっていってさあいよいよこれからが本番だ、ってときに他の男に寝取られまくってしまったのだ。ちくしょー、唯を返せ、友美を返せ、愛美さんを返せ、どろぼー、と泣きたい気分だ。 実際、地獄だぞ、こうなってくると。 「……あっ……ダメだってば」 何しろ、憎からず想っている女性が、みんな他の男と一緒にいるのを、ずっと見なければいけないのだからな。 「……聴こえちゃうって……おに……龍之介君、すぐそこにいるんだよ」 男の方は、何の当てつけなのか見せつけてくるしよぉ。何だ、オレの日頃の行いが悪かったっていうのか。敵が多いのか。自業自得なのか。 「……あんっ、だめぇ」 ええいっ、ちくしょーっ。また来てやがるのか、西御寺の野郎は。怒りに震えるが仕方がない、何しろヤツは唯の彼氏なのだから。 廊下から、つまり唯の部屋から洩れてくる声は、次第に甘いものとなり、ドンドンせわしないものになってきた。いつもこうなのだ。西御寺のヤツ、わざと部屋のドアを開けてイチャついてるんじゃないか、と思う。部屋から出て廊下に行けば、唯たちの情事を覗くことは簡単だ。実際、前に一回見てしまったことがある。 しかし、正直見たのを後悔した。 唯の白い肌が汗とエッチな液体まみれになり、裸の男がのしかかって蠢いている姿なんか、見たくないのだ。そう、見たくない……。 と言いながら、唯の部屋の前に来ている自分を「ふっ、カワイイやつだぜ」と思えるオレの頭は幸せなお花畑だ。聞いた話だが、巷ではこういう興奮の仕方を鬱ボッキと言うらしい。アハハ。 結局二人の情事を最後まで堪能してきた。 西御寺の野郎、最後まで唯の中にいやがったが、ちゃんとゴムはつけてるんだろうな、と心配になった。まぁ、もし子供が出来てもヤツの財力なら堕ろすも産むも自由自在だろうが……。しかし唯を使い捨てみたいにしたら許さないからな。 はぁ、と溜息をつきながらオレの部屋へ戻る。すると、第二の試練が待ちかまえていた。何てこった、今日も来てやがるのか、芳樹の野郎は。 グフグフ、とイヤらしい笑いを浮かべた巨体が、友美の部屋にあった。カーテンを閉めていれば分からないのだろうが、陽も沈んできた時間にレースのカーテンだけでは、モロに透けて見えるのだ。 ベッドに腰掛けた芳樹は汚らしい一物を既に取り出していた。そして、側に佇んでいた友美を引っ張って自分の前に跪かせ、すでに屹立したそれを口に含ませた。 音は聴こえてこない。窓は閉めているようだ。まったく、それならカーテンも閉めろよ、見せつけたいのか、この露出狂め、と思う。
友美はおとなしく、懸命に芳樹を感じさせようと頑張っている感じだ。無理矢理という風ではない。おかしなコトだ。何故こうなったのかはよく分からない。芳樹に何か弱みを握られて脅されて弱っていたらしいのだが、何がきっかけなのかソレを吹っ切り、芳樹を正道に戻すのだ、と頑張るようになってしまったのである。 色々考えている間に、もう二人は身体を合わせていた。友美は制服を着たまま、スカートをまくり上げられて、後ろから芳樹に挿入されていた。何か、あの二人は好きだよな……後ろからするの、と思いながら、オレは彼女たちの結合を凝視していた。 ──最後は顔射だった。このエロビデオマニアめ、と芳樹を罵倒したい気分になったが、もしビデオになったらゆっくり鑑賞したいな、と全裸になって二回戦を始めた二人を見ながら、アホなことを考えた。
・ ・ 次の日、街を歩いているとイヤなカップルに出逢った。天道と愛美さんである。
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