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春は出逢いの季節である。 その証拠に私はこの二週間で、将来の恋人候補2名、同志3名、宿敵1名、生活に疲れた人妻2名と出会えたら良いなと思っていた。 出逢いの季節と言うことは、必然的に「自己紹介」をする機会が多くなってくる。その自己紹介次第で、例えば中高生などだと一年間の自分のキャラが決まってしまうものだ。そのことは皆さんご承知の通りだろう。私は知らなかったが。 と言うわけで春を迎えたこの時期、ここでもちょっとした自己紹介を行いたいと思う。 私の職業は教師であり、美しい良家のお嬢さんが多数通う女子校で教えている、と言うと大抵の男性と一部の女性に羨ましがられる。しかし、実際には羨ましがられるようなものではない。理由は3つある。 一つ。ウハウハ状態のようでいて実際は女学生のおもちゃにされるだけだし、例え良い娘と出逢っても在学中に手を出すことは危険を伴い、そして結婚でもしようものなら後で「こっちにしておけば良かった」と悔やみ続ける生活が待っているだけだから。 二つ。美しく、性格も申し分のない、しかも自分を本当の意味で愛してくれるような女学生はそうそういるものではない。 三つ。私が女子校教師だというのはウソである。 本当のことを言うと、私は学生をやっている。趣味で野球観戦に熱を入れ、人間の欲求として夜も昼も眠り、食事をし、空いた時間を見つけてはバイトに精を出し、その片手間に読書をしたりテレビを見る。残り僅かな時間は学生の本分である勉学にあてている。 このように、私は時間を目一杯利用し尽くしているので、これ以上やらねばならぬことを増やしては生活が破綻してしまうと言う如何ともし難い理由からセフレは作らないことにしている。 家庭の構成を話しておくと、私には両親と祖父母の他に、許嫁と呼んでも異論の出ない恋人が1人、非常に弟思いの兄が2人、可愛い仔猫が1匹、義理の妹が2人、朝部屋まで起こしに来てくれるような幼なじみの女の子が1人、いるわけもないので神を呪っている。 暖かく柔らかな雰囲気の荒んだ家庭に育った人間らしく、私の人となりについては誰もが「ああはなりたくないものだ」と好意的に評価してくれている。その評価は概ね正しく、人間的に未熟で、知性と運動能力、容貌などにかなり劣ったところが見受けられるがそれら以外は特に欠点はないと自分でも断言できる。ただし、学生なのでお金はない。 容貌については想像して頂くしかないが、目が2つ、その下に鼻が1つ、さらに下に口が1つある顔を頭に思い浮かべてくれればかなり私の顔に近くなると思われる。想像出来ない方は、髪を黒く染めたブラッド・ピットの顔を思い浮かべて頂きたい。それとはほど遠い容貌が私である。 趣味の野球観戦についてはかなりのオタクぶりを発揮していると思われる。主にプロ野球を観ており、特にカープについての知識は豊富である。若い選手2人がキャンプ中にも関わらず『みんなのゴルフ』にうつつを抜かしていたんだとか、松山という選手のお爺ちゃんは牛を売って孫の学費をひねり出したんだとか、そのような小ネタならばいくらでも出てくる。しかし、勿論そのようなミーハー的なものだけではなくデータ面などの知識も脳に詰め込んでいる。例えば、山内はルーキー時代から130キロど真ん中のストレートを投げて落合から三振を取っていたような気がするし、津田恒美は見る度にサヨナラ負けを喰らっていた覚えがある。川口は毎試合150球以上投げていた。北別府も昔は速球派だった。代打は片岡で代走は今井だ。しかし私の頭の中ではファジィ理論に基づいた検索システムを採用している気がするので、おそらく間違いだらけであろう。 よく行く球場は広島市民球場である。3年ほど前は外野席専門であったが、ここ数年は内野席で観ることが多くなった。理由は3つある。しかし1つは諸事情と兼ね合いでここには書けず、1つは忘却の彼方にあり、最後の1つは鋭意究明中だ。ただ1つ言っておきたいのは、外野席で観るのは友人たちと一緒に騒ぐ時であり内野席の時は恋人(未満の女性も含めて)と一緒に二人きりで観ていることが多い、と先日後輩が言っていたのを思い出したと言うことだ。私に関係のないことだが。 私がカープの中で特に応援しているのは高橋建投手だ、と言うことに知り合いの間ではなっているらしい。ここで言う知り合いとは、ネットでの知人、と言う意味である。ネットを介さない友人たちで、そのような認識をしている者は皆無である。 このように野球観戦が趣味であるので、3月末と言う時期は秋の観戦計画を立てるのに忙しい。カープの日本シリーズを観るために予定を空けて置かねばならぬからだ。ただここ数年は無駄骨に終わっている。私の勉学のための貴重な時間を野球などに割かせてしまって良いのだろうか、とカープ球団が心配してくれるのは義務として当然だ。しかし、カープ球団もたまには反抗しても良いのではないだろうか。私は神の子のような寛容な心を持っているので怒りはしない。 まだまだ自分について語っておかねばならぬことは多い。ここで終わっては読者にあらぬ誤解を受けかねない。なので、何かというとお地蔵さんに傘をかぶして廻ってるんだとか、雨の日段ボールに入れられ捨てられている仔猫を優しく抱き上げてるんだとか、それを見て胸がキュンとなってしまった学園一の美少女がいたら良いなと思っているんだとか、そう言うことも一応書いておいた。 紙面(と言うか書く気力)が尽きてきたので、最後に一言書いてこの自己紹介を終わりたいと思う。 この文章はノンフィクションであり実在の人物・団体と関係があることを強く否定しておきます。 |