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夏影


 夏である。
 この季節は、言うなれば恋の季節だ。男も女もちょっとだけ心が開放的になる季節。恋の思い出話だって25%は夏に集中しているはずだ。そこら中に恋の話、略してコイバナが転がっている。その証拠に私にだって思い出はあり、いくつかは今でもすぐさま脳裏に浮かべることが出来るくらいだ。初恋の彼女と二人きりで市民プールに行き手と手が触れ合い顔を赤くした中一の夏、幼馴染のあの娘と共に市民図書館で勉強した中三の夏、友人と海へ行き女子大生と仲良くなり童貞を失った高二の夏、予備校の事務のお姉さんと仲良くなり一人暮らしの彼女の部屋で生活していた浪人時代の夏、そのような数々の思い出体験談を雑誌で読んだことを思い出せるのだ。切ない夏の記憶である。
 まさに夏は童貞喪失の季節(ニュアンスが違ってきた)。しかし私の童貞喪失は夏ではなかったような気がする。そもそも童貞を捨てたかどうかさえ定かではない。一つ確かなことは、処女を捨てた覚えはないと言うことだけだ。

 夏をエンジョイするためには準備が必要だ。
 例えば私は貧相な筋肉を持ちながらもふくよかな脂肪で覆われた暑苦しい肉体を持っている。普段生活する分にはまるで問題はない。あまりに高貴なオーラをかもし出しているからなのか、女性どころか男性までも私を遠巻きに避けて通る、そのことを残念に思うくらいだ。しかし、夏仕様ではない。この季節に恋愛関係の思い出を作るためには、まず男らしい体を持っていなければならない。よってそのための体作りから始めなければならない。女性向け雑誌にも水着を美しく着るためのダイエット特集などが花盛りではないか。
 そう言うわけで、私は毎日の筋肉トレーニングを自らに課している。腕立て30回x3、腹筋100+50回、スクワット100回、素振り300回、正拳突き500回などだ。思い立ってから今日まで、一日も欠かしてはいない。夏の思い出を作るためなのだ、力も入る。男を動かす最も大きな力はスケベ根性なのだ。ちなみにこの筋トレを思い立ったのは今日である。これほどまでに休まずトレーニングを続けているのだから、今日くらいは休んでもいいかな、と思っている。

 自らの肉体改造が成功したも同然の私にとって、今必要なのは女性との出会い、ただそれだけだ。これを読んでいるアナタ、是非メールを出して欲しい。アナタとねんごろになりたい、などと高望みをしているわけではない。アナタの友人の中で一番の美女を私に紹介して欲しいのだ。それだけのちっぽけな願いだ。もし紹介してくれたなら必ずや幸せが訪れるであろう(少なくとも私に)。

 つまり何が言いたいのかと言うと、夏と言う季節には私のような頭のおかしい人間が多数現われるので、婦女子の皆さんは気をつけなければならない、と言うことだ。
 てなわけでサヨヲナラ。




Original: 2001-07-02; Updated: 2008-02-24; (c) 2008 by 恋愛一里塚, all rights reserved. admin@x-novel.com